犬の保育園では、ブラッシングや爪切り、歯磨きなどのお手入れを犬がストレスなく受け入れて行けるようにする練習も取り入れています。犬の体を保定して(拘束して)逃げられないようにしてお手入れをするのではなく、犬に協力してもらって行うやり方を「コーポレイティブ・ケア」と言い、動物福祉を重視したケアの仕方として広がって来ているのです。「無理に痛くしたりしないよ、大丈夫だよ、嫌だったら教えてね、あなたが受け入れやすい方法を一緒に探そうね」と犬に伝えて、安心してもらって少しずつアプローチするやり方です。そのために、まず、目の前の子が何をどこまでは嫌じゃなくて、何をどこまでするのが嫌なのかをそーーっと探りつつ、受け入れてくれるやり方でお手入れをしてあげていく様子を動画に撮って飼い主さんに共有しています。
そして、このコーポレイティブ・ケアをしていくためには、犬にとって人の手が安心で心地よい存在であることが大切になってきます。嫌なことをしないと信頼できる手である必要があるのです。その子の心地よいサインを読み取り、ちょっと嫌だなのサインを読み取って嫌な事はしないであげる。当たり前のようで、言葉を発さない犬たちの小さなサインを読み取ってあげるのは実は難しかったりします。なので、ドッグトレーナーが飼い主さんをサポートして行く事ができたらと思っています。