子犬への叱り方を教えてください

パピートレーニングのお問合せをいただき、生後5ヶ月になったポメラニアンのラテちゃんのお宅にうかがってきました。

とっても可愛いポメラニアンのパピー特有の毛の生え方で、いわゆる「サル期」と言われる感じのラテちゃん。ケージから出てリビングにフリーになると、あちこち走り回って、キッチンの方に行ってはママさんに捕獲され、パパのスリッパを咥えて持ってきて振り回したり、お嬢さんの足(靴下?)に噛みついて離れなかったり…と元気いっぱい!いいですねー、健全な子犬って感じです。

そんなラテちゃんの様子を見ながら、ママさんとお嬢さんから普段の生活の様子やお困りごとなどをお聞きしていたところ、お嬢さんから「叱り方がわからないから噛まれ続けちゃう」「叱り方を教えてほしい」というような言葉がありました。どうやら、ママさんはラテちゃんを叱ったりできるものの、優しいお嬢さんはラテちゃんにどう叱ったらいいのか分からないご様子でした。

可愛くて元気な子犬は、興奮すると怪獣のように唸ったり、ピラニアのように咬みついて来ることがあります。それは、その子が、好奇心が旺盛で、人との交流を求めている(人との信頼関係ができている)証拠なのです。犬は人間のように手で握ったりできませんので、興味があるものは口に咥える習性があります。そして、犬は非言語動物なので、言葉で「遊んでよー」とか言えないため、遊びに誘うのにも口でちょっかいを出してきます。犬は母犬やきょうだい犬たちに親愛を伝えるために口元を舐めたり噛んだりします。犬は生後4・5ヶ月ぐらいから乳歯が抜け始めるので、この時期は口の中に違和感があってなんでも良いので噛みたいという衝動が強くなります。つまり、子犬は咬みついて来る生き物なのです。そして、「ダメ!」とか「噛んだら痛いでしょ!」など言葉で叱っても、犬は非言語動物であり、子犬は言葉の意味を学習していませんので理解できません。

つまり、考えるべきは、「子犬をどう叱ったらいいのか?」ではなく、「子犬の自然な欲求をどう満たしてあげたらいいのか?」なのです。

子犬は遊んでほしいのです。子犬は噛みたいのです。噛んでも良いものを与えて、たくさん遊んであげたり撫でてあげたり、愛情をたくさん注いであげてください。子犬は満足してパタリと眠るでしょう。子犬を毎日満足させるのは大変だとは思いますが、数ヶ月間だけです。相手はこの世に産まれてきて数ヶ月の赤ちゃんです。優しく対応してあげていただければと思います。